打ち首こくまろ

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10/29(日)天皇賞(秋)を観ろ

天皇賞(秋)(GⅠ)に特別登録している日本馬のレーティング順位 JRA

天皇賞(秋)の出走予定馬がここに書かれているわけですが、これが鳥肌が立つほどの超豪華メンバーなわけですよ。というわけで観ろ! お前ら!

...で見ようという気にさせられないのが競馬の辛いところ。だって、競馬って何も知らない人が見たら18頭の知らない馬が2分間ぐわーっと走ってるだけ、わけのわからないまま終わって何が何だかわからないってなりません? 楽しむためには出走馬についてよく知る必要があるから、お金を賭けない限り競馬ってハイコンテクストなんですよね(どんなスポーツでもそうかもしれないけど)。

ただ、今年の天皇賞(秋)は本当に、ものすごいメンバーが集まりました。強いだけじゃなくて個性も豊か。メンバー構成ではここ数年で最高と言えるレースです。

そんな天皇賞(秋)を是非皆さんに観戦していただきたいと思い、拙い文章ながらこの記事を書いています。天皇賞(秋)というレース、そして注目の出走予定馬について紹介することで、少しでも競馬に興味を持ってくれる人が出てくれれば…

天皇賞(秋)とは

東京競馬場・芝2000mで開催される競馬のGIレースです。天皇賞(春)も存在しますが、こちらは芝3200mのマラソンレースなのに対して、天皇賞(秋)は中距離最強馬決定戦に位置付けられています。

この天皇賞(秋)はかなり好メンバーが集まりやすいレースとなっています。というのも、本格的な秋のGI戦線の一番最初にスケジュールされていることにより、

  • ジャパンカップ有馬記念と続く長距離GI王道路線に挑むトップホースが下半期の初戦に選ぶ
  • 中距離路線のスペシャリストが必勝を期して参戦する
  • 短距離馬が中距離との二階級制覇に挑む
  • 夏場に急激に力をつけた馬が腕試しにトップホースに挑戦する
  • 力に自信のあるルーキーイヤーの3歳馬が、同年代との戦いではなく古馬との戦いに挑む

と、各路線を代表する馬たちが参戦しやすくなっているからです。

加えて、芝2000mという距離自体が近年世界中で最も重要な距離と認識されており、これにより天皇賞(秋)は実質的な現役最強馬決定戦となっています。

つまり、天皇賞(秋)は、各路線を代表する馬たちが一堂に会し、現役最強の座を決めるチャンピオンレースなのです。

出走馬紹介

キタサンブラック

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現時点での現役最強馬となります。

ブラックタイドディープインパクトの代替種牡馬であり、そんな血統から生まれた本馬も当初は将来について全く期待されていませんでした。売れなくて困った牧場が、他の馬のバーターとして馬主の北島三郎氏に譲ったほど。

しかし走り出すといきなりデビュー3連勝。秋には菊花賞を勝ち、馬主歴50年超の北島三郎氏に初めてのGIタイトルをプレゼントしました。

先行押し切りという地味な脚質、そして地味な血統からか、人気もなく過小評価されがちでしたが、その後も王道の競馬でGIタイトルを積み重ねます。昨年度には年度代表馬のタイトルに輝き、今年の天皇賞(春)では、叔父のディープインパクトレコードタイムを大幅に更新するタイムでGI・5勝目。血統の限界を打ち破り、現役最強馬の座を確たるものとしました。

しかし前走の宝塚記念では、疲れからか大きく崩れての9着。今回はそれ以来の休み明けとなりますが、体調やメンタル面を立て直せているかが焦点となりそうです。

既に年内での引退が発表されているキタサンブラック。既に2010年代を代表する馬の一頭となっていますが、残りのレースで伝説を残せるでしょうか。

リアルスティール

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3歳時にはGI級の素質馬と期待されながら、皐月賞・ダービーではドゥラメンテの末脚に屈し、必勝を期した菊花賞ではキタサンブラックに僅かクビ差退けられたリアルスティール。しかし、翌年にはドバイで世界の強豪を相手に悲願のGI初勝利を成し遂げます。

連覇を狙って今年もドバイに遠征しましたが、現地で鼻出血を発症し出走を断念。そのまま休養に入り、上半期は不完全燃焼に終わりました。

しかし半年以上の休み明けとなった前走の毎日王冠では、一頓挫を感じさせない力強い差し切り勝ち。強豪健在をアピールしました。

天皇賞(秋)は昨年も2着に入っている得意舞台。因縁の相手を倒し国内GI初勝利を達成できるか。打倒キタサンブラックの一番手です。

サトノクラウン

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こちらもキタサンブラックの同期。同じく期待されつつもなかなかGIタイトルに手が届かなかった馬です。

しかし、昨年末の香港ヴァーズでは世界を股にかける強豪馬・ハイランドリールが完全に抜け出したところを強引にねじ伏せる差し切り勝ち。大番狂わせでのGI初制覇となりました。

その後、今年の宝塚記念では圧倒的一番人気のキタサンブラックが馬群に沈む中、外から力強く抜け出してGI・2勝目。最高の結果で上半期を締めくくりました。

今年はそれ以来の4か月休み明け。そもそも天皇賞(秋)は過去に17着・14着と大敗している鬼門のレース。力を出し切れるかどうかは微妙ですが、条件が噛み合った時の破壊力はメンバー中最強。GI連勝で現役最強の座を狙います。

ソウルスターリング

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紅一点での参戦となるこの馬。それに加えてルーキーイヤーの3歳であり、大人の男性選手にただ一人立ち向かう少女、ということになります。

父・フランケルは14戦14勝GI・10勝の戦績を残すヨーロッパ史上最強馬。そのフランケルの初年度産駒は4頭だけ日本に渡り、その一頭がソウルスターリングとなります。

同世代の牝馬相手では圧倒的な力を見せ続けた上半期。桜花賞は取り逃がしたものの、3歳牝馬チャンピオンを決めるオークスでは、持ち前の競馬センスを遺憾なく発揮し完勝を収めました。

前走の毎日王冠は1番人気に推されたものの8着。しかしこれはスローペースに落としすぎた戦術ミスによるものでしょう。同じくレースセンスで勝負するキタサンブラックは強敵ですが、こちらには斤量4キロのハンディキャップがあります。歴史上初めての3歳牝馬による天皇賞制覇を成し遂げることができるでしょうか。

サトノアラジン

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短距離路線からの代表馬となりそうなのがこの馬です。

3〜4歳時には中・長距離路線にも挑んでいたものの結果が出ず、翌年から短距離路線に転向。安定した成績を残すものの、GIレースでは勝ちきれないレースが続いていました。

ところが今年の安田記念では一変。ハイペースの流れを大外から力強く差し切り、6歳にして悲願のGI初制覇を成し遂げました。

再びの中距離路線への殴り込みとなった前走の毎日王冠でしたが、リアルスティールにクビ差迫る見所十分の2着。本番の天皇賞(秋)で、短距離・中距離の二階級制覇の達成を狙います。

グレーターロンドン

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同じく短距離路線からの刺客となる馬です。

将来を期待されていた馬でしたが、3歳時に致命的な蹄葉炎を発症し、一年以上の休養を余儀なくされます。

しかしその復帰戦は、ブランクも蹄の不安も感じさせない完勝。以後破竹の5連勝を積み重ねます。

初のGIレース挑戦となった安田記念では4着でしたが、毎日王冠では健闘した3着。G3すら勝っていない重賞未勝利馬ですが、素質はすでにGI級との呼び声もあるグレーターロンドン。蹄葉炎を克服しての奇跡の天皇賞馬となるでしょうか。

ネオリアリズム

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4歳まで全く芽が出なかった遅咲きのサラブレッド。しかし、昨年の札幌記念で歴史的怪物・モーリスを破ったことにより一気に台頭します。

今年の中山記念では、リアルスティールらGI馬が揃った中でそれを退けての完勝。次走のクイーンエリザベス2世カップでは、中盤からの大まくりで海外でのGI初勝利を達成しました。

今回はそれ以来の半年の休み明け。体調に不安はありますが、その力は決して侮ることはできません。

ステファノス

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3年前の富士ステークス(G3)で重賞初制覇。なんとこれ以来3年間も勝ち星を挙げられていません。その間GIで2〜3着になること5回。GIまであと一歩が届かないシルバーコレクターです。

3歳から第一線で活躍し続けていますが、6歳になった今年も、大阪杯キタサンブラックの2着になるなど、力はまだ衰えてはいません。しかし年齢的にはリミットが見えているのもまた事実。1800〜2200mのレースばかりに出走し続けてきた中距離路線のスペシャリスト。ここで一花咲かせたいところです。

マカヒキ

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「最強世代」と呼ばれた現4歳世代。その頂点に立ったのがマカヒキです。日本ダービーではサトノダイヤモンドとの数センチ差の死闘を制し、見事ダービー馬に輝きました。

しかし、その後の成績は下降線の一途。日本代表として挑んだ凱旋門賞で14着に大敗したのを皮切りに、大阪杯では4着、前走の毎日王冠は6着と、歯がゆいレースが続いています。

しかし、過去には同じくダービー制覇後低迷し続けながらも、天皇賞(秋)で鮮やかに復活したエイシンフラッシュという馬もいました。東京競馬場はこの馬の脚が最も活きる舞台。ダービー馬の輝きを取り戻すことができるでしょうか。

観戦方法

レース自体は東京競馬場で開催されますが、中継はなんと地上波でもやっています。フジテレビ系列の日曜日午後3時から。

天皇賞(秋)は10/29(日)の15:40発走です。

家にいながら白熱したレースが無料で見られるなんて、なんて素晴らしいことなんだ!

以上