打ち首こくまろ

限界オタクの最終処分場

アイドルマスターシンデレラガールズ 6thライブ 感想文

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 『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 6thLIVE MERRY-GO-ROUNDOME!!!』に参加した。アソビストア先行では最終日しか当たらなかったが、運良く1〜3日目だけ当たった友人がいて、無事全通することができた。デレマスのライブに参加するのはこれが初めてだし、ツアーを全通するのは人生で初めて。まぁ、ロックバンドのツアーって47都道府県ライブハウスツアーとかやって平気で平日に開催するから無職のバックパッカーじゃなければ全通無理なんだけれど...

 ライブは掛け値なしに素晴らしかった。形あるものはいつか壊れる運命だが、ライブとかで得られる形のない思い出はそうした物理法則とは切り離されたものであり、つまり一生モノだ。ただし、形のないものはいずれ脳の奥底に閉じ込められ薄れゆく運命なので、ブログに書き残すことで冗長化を図りたい。

 ライブの日程や曲順に関係なく、思ったことを順番に書いていく。

ライブのテーマについて

 「MERRY-GO-ROUNDOME!!!」とサブタイトルにあるように、このライブのテーマは「遊園地」であり、実際に使用されたトロッコも白馬をあしらってメリーゴーランドを意識したものになっていたし、テーマ曲である『Starry-Go-Round』も、まるで遊園地のパレードを思わせるような、軽快で華やかな曲となっていた。

 ただ、このライブにはもう一つ、「裏テーマ」というべきものが存在した。1日目のMCで大体の人が察していたと思うが、それは「季節」。1日目は春、2日目は夏... というように、4日間で春夏秋冬のそれぞれの季節を表現しようとしていたライブだった。今年の4月まで4半期ごとに発売されていた『MASTER SEASONS!』を念頭に置いたものだったと思うが、これは本当に素晴らしいアイデアだったと思う。4日間のライブをそれぞれ独立したものとして開催するのではなく、季節というテーマを背後に通すことで、ツアー全体が一つの物語を表現するようなものに仕上がった。僕のようにライブを全通した人にとってはとても嬉しかったし、「次の季節には何の曲をやるんだろう...」と予想する楽しみも生まれた。次にツアーをやるときにも、こうした横通しのテーマを設けてほしい。

 ちょっとだけ残念だったのが、『桜の風』を初日に披露したところ。『桜の風』は『銀のイルカと熱い風』『秋風に手を振って』と並んで『MASTER SEASONS!』のメイン曲なのだが、これらのメイン曲は4曲で一つのストーリーとなっており、『桜の風』はいわば組曲の終曲的存在。それを初日に置いたのは、ちょっと情緒が無かったかな... というところ。個人的には「冬」である最終日の終盤に置いて、冬が終わって春がやってくる、季節の巡りを表現してもらえばより俺得だった。

Orange Sapphire と 情熱ファンファンファーレ

 1日目が終わって2日目が「夏」だと分かった時に一番期待したのが、『Orange Sapphire』の披露だった。2年半前にデレステをプレイし始めたのだが、デレステの曲の中で初めて好きになった曲であり、デレマスの曲の中では一際思い入れがある(思い入れ抜きにしても名曲)。だからいつかは生で聴きたかったし、明日が夏だって分かった時にはどうか披露してくれと強く願った。一方で、古い曲でもあるしやらないかも、と心のどこかで思っていたし、皆に「明日Orange Sapphireやるって!」とどんなに力説しても、「いやそれはないっしょ」と 誰も取り合ってもらえなかった。地動説を唱え宗教裁判にかけられたガリレオの気持ちが0.2%分かった。

 しかし、2日目の第2ブロックの最後、『Orange Sapphire』は披露された。イントロのキラキラした音が流れた瞬間、脳より先に体が反応し、歓声をあげながら連番者の背中をバシバシ叩き、ポケットに忍ばせたUOを折って掲げた。本当に嬉しかったし、この歳になってもこんなに楽しいことがあるんだと思うくらい、ただただ幸福でハピハピなだけの4分間だった。本当にこの曲はすごい。あまりにもエネルギーに満ち溢れている。流し続ければ本当に太陽が地球の周りを回ってしまうんじゃないかと思うくらいエネルギーがある。は?

 あと力説したいのが、『Orange Sapphire』が第2ブロックの最後に披露されたというところ。このブロックは完全なスピードコアの『凸凹スピードスター』をはじめ、『銀のイルカと熱い風』『ハイファイ☆デイズ』のようにテンポの早い曲が集められたブロックだった。その中でも『Orange Sapphire』はアップテンポだが決してハイスピードではない。この曲をトリに持ってくることで、ハイスピードな曲で高められた会場のエネルギーを、『Orange Sapphire』のノリやすいテンポとリズムの曲で爆発させ大団円を迎えさせようとする意図があったのではないか。思い入れある曲にそんな役割を持たせられたのかと勝手に想像して、勝手に嬉しくなった。

 そして秋、『情熱ファンファンファーレ』が来るのではないかという確信に近い思いがあった。オリジナルメンバーである「ポジティブパッション」は1人が不参加で揃っていない状況だったが、秋にピッタリのこの曲をやらないはずがないと思っていたし、デレマスで一二を争うぐらい好きな曲なのでやってほしいという強い願いがあった。そしてやった。本当に嬉しかった。笑って、元気になって、歌えて、そして泣けて、本当に凄くいい歌なんだよ... いつかポジティブパッションの3人で揃って歌っているところが観たいなぁ。

Starry-Go-Round

 ぶっちゃけ、デレステで初めて聴いた時には「微妙な歌だな...」という感想だった。イントロのトランペットの音が安っぽく聞こえたし、コールも無駄に入っている感が感じられて「これがツアーのテーマ曲か...」と思うとちょっと険しい顔になった。

 でもやっぱり、実際にライブで聴くと違う。全日通して第1ブロックのトリに披露されたが、ライブ序盤の高揚感と曲調がマッチし、会場が一体になるコールに胸をおどらせ、そして楽しくも哀愁が漂うメロディに涙腺が潤む。『Starry-Go-Round』は、ツアーが進むにつれてかけがえのない曲になっていった。

 もう次回のツアーではこの曲やらないのかと思うと辛い。中々セットリストに捻じ込む隙間はないと思うが、今後のライブでも是非やってほしい。本当にお願いします。あとデレステのこの曲のゲームサイズへの切り取り方は本当に雑だと思う。特に終わり方。

宮本フレデリカ

 宮本フレデリカはそこまで好きじゃないけど、『フレデリカ、猫やめるよ』は大好き。だからライブでは絶対に聴きたかったし、もし披露されなかったら国会議事堂前で反政府デモに混じり「フレデリカ猫やめろデモ」を呼びかけて徹底抗戦を辞さない構えだった。

 実際には2日目に普通に披露されたわけだが、歌っていた高野麻美さんのパフォーマンスが本当にフレデリカそのものでビックリした。途中の笑い声とかも、ほんと、なんでライブの一発勝負であんな声出せるのかと。アイドル声優ってすごいと改めて感じた。

 その後の打ち上げで高野麻美さんの事について聞いてみると、どうやら一部で「破天荒ポンコツ」と呼ばれているらしく、ラジオでは速水奏役の飯田友子さんの首元にチョップをお見舞いしたことがあるらしい。暗殺者かよ。

単純接触効果と安部菜々

 2日目はアリーナ後方に配置されたステージ(このステージって何と言うんだろう...)から数メートルの距離の席だった。1日目でもこのステージで演奏された曲が幾つかあるったので、2日目は一体何の曲をやって、誰を間近で見られるんだろうと戦々恐々としていた。

 最初の『イリュージョニスタ!』からフロントステージ・センターステージで演奏されること数曲。暗転した会場に「その時、空から〜」というセリフが響き渡る。周囲の人が「あっち、あっち!」と声を出して後方を指さすと、そこにはバックダンサーを引き連れた三宅麻理恵さんの姿が。安部菜々の曲は『メルヘン∞メタモルフォーゼ!』だと思っていたし、まさか『メルヘンデビュー!』がこんなに間近で聴けるとは! 実はこの時、風邪をひいて咳が酷く、喉が中々最悪の状態だったのだが、予想外の曲に加え、キャストがすぐそばで歌っているという高揚感で、そんなことを忘れてしまう程大声でコールした。本当に楽しかった。

 その後の『Starry-Go-Round』では、曲の後半にゴンドラでやってきたキャストがそこから降りてアリーナ中央を横切る通路で一直線になって歌う部分があるのだが、僕の目の前に再び三宅麻理恵さんの姿が。完全に三宅麻理恵スペシャルの席だったし、僕が安部菜々Pだったら確実に死んでいたと思う。安部菜々のことはそんなに、だったけど、彼女が歌って踊る姿を間近で見て、そして間近で応援することで、安部菜々三宅麻理恵さんのことがちょっと好きになってしまった。単純接触効果すごい。

Pretty Liar とオリジナルメンバー

 ライブの直前にデレステのイベント曲として実装されたのもあり、割と披露されることを期待していたのだが、結局1回も披露しないままツアーが終了してしまった。オリジナルメンバーが揃う日程がないことは承知で、それでも代役を立ててやってほしかったなぁ、と打ち上げで言うと、結構な人が「いやでも、最初にやる時はオリメンでやってほしい」と返してきた。どうやら僕のような考え方をする人は少数派らしい。

 色々と考えてみると、僕と他の人では「アイドル」と「曲」の主従関係が逆らしい。結構な人は「アイドル」を表現するために「曲」が作られ与えられる、と考えているらしいのに対し、僕はまず「曲」があって、それを表現するために「アイドル」がいる、と考えている。だから、僕は表現者が変わってもそれは些細な問題じゃないか、と考えるのに対し、他の人は、いやそれは違うでしょ、となる。こうしてみると、アイマスのライブにアイドル的なものを求めるのか、それともアーティスト的なものを求めるのか、の違いなのかもしれない。

 いやでも、『Pretty Liar』は代役立ててやってほしかった。1日目なら奏がいるし、同じ日なら川島瑞樹もいる。川島瑞樹高垣楓は飲み友達だし他の曲でも共演してるから代役としては全然アリな線だし、それに楓の代わりに瑞樹がマイクを取るという展開クソエモくないですか? 舞台裏で二人の間にどんなやり取りがあったか想像するだけでご飯3杯はいけません? オリメンを揃えて披露することだけが全てじゃないと僕は声を大にして伝えていきたい。

クレイジークレイジー

 曲開幕のセットポジション、誰が考えたか知らないけど100万円あげてほしい。ステージの頂上、二人肩を寄せ合って座りながら歌いだすシーンが強烈に目に焼き付いて離れない。曲の世界観をビシッと表現した耽美でおシャンティな開幕のポジションだった。

 あと、随所で言われていたことだけど照明の演出が半端じゃない。1日目はスタンド席の横の方だったからあまり分からなかったけど、メインステージを真正面に見据えることになった2日目のアリーナ席では、その照明を全身で浴びることになった。サビ前のリズムに合わせながらレーザーが色を変え形を変えながら会場中を照射していく。申し訳ないけど、2日目に関しては二人の歌よりも光の演出の方が印象に残っている。この曲に限らず、今回のツアーは照明の演出力が半端じゃなかった。誰が担当してるか知らないけど100万円あげてほしい。

Trust me

 直近の総選挙曲だからさすがに全日程でやるでしょ〜と思っていたのだが、なんと3日目にしか披露しないという悲しい結果に。頚椎骨折するまでヘドバンする用意は出来ていたのだが... まぁでも、シンデレラどころかアイマス全体を見渡しても類を見ない、ラップメタルオルタナティブメタルというべき曲を放り込める隙間はあまり無かったのかもしれない。

 ただ、その前後の曲の流れが「毒茸伝説→Trust me→∀NSWER」と言う、シンデレラが誇るヘヴィネス曲3連コンボだったので超アガった。初めて生で聴いた『毒茸伝説』が超カッコ良くてしこたま首振れたし、松田颯水さんの煽りで否が応にもブチ上がった。その流れのまま『Trust me』に入ったのでもう半ばトリップ状態。正直ヘドバンしかしてなくてステージパフォーマンスをほとんど見れていない。もう一回やってほしい...

堀裕子

 ナゴヤドームで行われた3,4日目のライブでは、Triad Primsが『Trinity Field』を披露することがほぼ確定していたので、UOの他にもUB(ウルトラブルー)のサイリウムを持って行った。ライブ中では、UOはいつも通りズボンのポケットに詰め込んで、UBは上着のジャケットのポケットに忍ばせていた。

 3日目、終盤で披露された『踊りまくろ☆ダンシング・ナイト』。音源で聴いた時には直球でバブリーな曲調に苦笑を禁じえなかったのだが、やはり生で聴くと本当に盛り上がる。振っていた電池式のペンライトの代わりにUOを折って掲げる。するとなぜか青い。盛り上がりすぎて、UBとUOを間違えていたのだった。

 4日目、終盤で披露された『モーレツ★世直しギルティ!』。アホな曲なんだけど当然盛り上がる曲。イントロが鳴った瞬間にカバンからUOを取り出してズボンのポケットに補充した。そしてサビでポケットからUOを取り出し、折って掲げる。何故か青い。もう一本取って折って掲げる。これも青い。さらにもう一本折っても青かった。さっき補充した時に、UBとUOを間違えていたのだろうか? いや、2日続けて同じようなアホな間違いをするだろうか? これはおかしい。きっと、堀裕子のサイキックが暴発して、僕のUOがUBになってしまったに違いない。

 それにしてもセクシーギルティの3人は美味しい役回り貰えてたなぁ。3日目は『踊りまくろ☆ダンシング・ナイト』→『サイキック!ぱーりーないと☆』とセクギルメンバーの曲を連続で披露しておいて、2曲目の終盤で他の2人がステージに登場するという、セクギルには似合わないほどカッコイイ演出。4日目は『Treasure☆』で、荒波に揉まれながら悪魔に取り憑かれた杏を射殺救出しようとしていた。まぁ前橋市長ともなればこれくらいの役を獲得することなど造作も無いのかもしれない。