打ち首こくまろ

限界オタクの最終処分場

「皇室報道局」の正体と皇室フェイクニュースビジネスの闇

皇室フェイクニュースの謎

 Twitterのトレンドにこんなのが上がっていた。

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 元記事はこちら。

imperialism.news

 小室さん関係の報道久々に見たなぁと思いつつ、それよりも常軌を逸した記事の内容と、それを鵜呑みにして小室佳代氏を叩きまくるツイートがトレンドに乗っているのにかなり嫌な気持ちになった。

 前にも同じようなことがあった。半年前、Twitterで大いにバズりまくったこの記事。   kikunomon.news

 タイトルだけ見ると死ぬほど面白いんだけど、記事の内容は現実性が無さすぎるし、実名が悠仁さま以外出てこず信憑性もない。何よりこのソースの「菊ノ紋ニュース」なるメディア、信じられないことに皇室専門のニュースサイトであり、皇室関係のニュースが毎日数記事配信されるという女性自身も真っ青の超ハイペースで皇室ニュースを量産していた。常識的に考えれば明らかなフェイクニュースサイトだ。クソ狭い皇室の世界でこんなおもしろニュースが毎日生産されるなんてことは絶対有り得ないからだ。

 さらに「菊ノ紋ニュース」周りには面白いことがある。「菊ノ紋ニュース」のこのページには運営者情報が書かれているのだが、分かっている限り、このサイトを運営している「メディアイノベーション合同会社」は以下のサイトも同時に運営している。これを以下では「MI社グループ」と呼ぶことにする。

koshitsu.today

kourozen.com

sekai-nippon.net

koshitsu-nanameyomi.com

tateyomi.info

 絶対おかしいだろ!!!!!!!!!!!

 どれもこれも皇室専門ニュースサイト。「菊ノ紋ニュース」の存在だけでも怪しいのに6倍だぞ6倍。

 これらのサイトは「菊ノ紋ニュース」以外は現在いずれも更新停止しているようだが、一時期はこれらのサイトを同時に運営し、全皇室ジャーナリストが束になっても敵わない量の記事を毎日量産していたのだ。当たり前だがその中身はまぁ酷い。スキャンダラスなタイトルが付けられているが、内容は全て憶測と匿名記者からの伝聞で構成されている。水を水で薄めた飲み物にキャッチーなラベルを貼り付けて売り付けるようなもの。買う方もどうかしてるのだが...

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 ちなみに「菊ノ紋ニュース」だが、現在に至ってはニュースにすらなっていない。毎日配信される記事はどれも本文は一切書かれておらず、出所不明のスキャンダルに対し「口コミ」「国民の声」と称して皇族への罵詈雑言が書き並べ立てられている、信じられないぐらいガチでホラーなサイトに生まれ変わっている。そしてそれに読者からの追加の罵詈雑言コメントが多数ついている。この世の終わりか。

「皇室報道局」という新手

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 さて、冒頭の記事に戻る。こちらのソース「皇室報道局」もまた皇室専門ニュースサイトであり、皇室関係のニュースを1日数本お届けする怪しすぎるメディアだ。お問い合わせページには謎の運営者と適当な住所、実在するのかもわからない編集長の名前が記載されている。仕方がないので「皇室報道局」でググる

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 皇室フェイクニュース仲間として「菊ノ紋ニュース」は分かるが、「皇室問題研究室」とは?

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 デザイン同じやんけ!!!!!!!!!!!!!

 という訳で、「メディアイノベーション合同会社」の他にも、皇室関係のサイトを複数運営してフェイクニュースを垂れ流している組織を発見してしまった。皇室フェイクニュース業界というアンダーグラウンドビジネス、まさか競合他社がいるとは...

 しかし以下の通り、このグループではメディアを複数持っていることを公言している。

imperatoria.net

 散らばっている情報をまとめると、皇室の今後を憂いていた元宮内庁職員・小内誠一氏が、2019年11月に「皇室是々非々自録」というサイトを公開したのが始まり。そのサイトが徐々に更新停止となり、その間の2020年2月に「皇室「是々非々」実録」が公開。そして5月にはこのお知らせの通り「皇室問題研究室」を公開し移転(しかし「実録」の更新も続いている)、さらに6月27日は「身の安全とリスク分散のため」として「皇室報道局」を新たに公開。小内誠一氏は、昨年11月から半年の間に、ほぼ同内容のニュースメディアを4つ立ち上げている。これらのサイトを「小内グループ」と呼ぶことにする。

 当然、小内グループのサイトも全てフェイクニュースサイトだ。記事の内容は同じく他週刊誌の要約や匿名記者からの又聞きでほとんどが占められているし、そもそも皇室関係の記事を複数メディアで毎日配信するということが、誠実なジャーナリズムを前提にしていればあり得ない。「皇室の今後を憂いて」サイトまで立ち上げた人間が、そんな適当な仕事をするだろうか? サイトにはもっともらしいことが書かれているが、信憑性ゼロのフェイクニュースサイトなので絶対に鵜呑みにしないように気をつけてほしいし、Twitter脊髄反射で誹謗中傷を書き込んでいた人は反省するか再発防止のため脊髄を抜くかしてほしい。

 ...というところで終わってもいいのだけれども。

点と線

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 「菊ノ紋ニュース」と見比べてみると、なんとなく、なんとなく「皇室報道局」のサイトと似てるように見えない?

 いや、見た目は当然大きく違うんだけど、デザインのダサさは共通している。およそ皇室メディアとしての風格がカケラも感じられない、個人ブログかと勘違いしてしまいそうなほど簡素で質素で貧相なデザイン。実際、MI社グループと小内グループのサイトは全てWordPressを利用して構築されている。両者共に、似たようなセンスの人がサイトのデザインを行ったんだろうなというのが分かる。

 ...果たして「似たような人」なのだろうか?

 whois情報を見てもロクな情報が得られなかったので困っていたのだが、見比べてみるとMI社グループと小内グループのサイトでは似たような画像が使われていることが分かる。どちらもモラルの低さはどっこいどっこいなので、ネットから適当に引っ張ってきた画像なのかもしれない。では以下はどうか。

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 これは小内グループの「皇室問題研究室」のこの記事より。「皇室の今後を憂いて」いる割にはテレビのスクショを平気で貼り付けるモラルの低さに頭を抱えるのだが、注目してほしいのは画面左側のコンソールに表示されているファイル名。スクリーンショット-9.jpg」という投げやりな名前が付けられているのだが、

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 全く同じファイル名・全く同じ内容の画像がMIグループの「菊ノ紋ニュース」のこの記事に掲載されている。これはどういう事だろうか? Google画像検索をしてみたが、この画像に「スクリーンショット-9.jpg」という名前がつけられているのはMI社グループ・小内グループのサイトのみだ。

 また、「皇室問題研究室」や「皇室報道局」は同じく「スクリーンショット-xxx.jpg(png)」というファイル名を掲載している記事が複数存在する。

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 例えばこの記事は先ほどの記事の10日前に作成されたものだが、ファイル名が「スクリーンショット-415.jpg」であり明らかに不自然だ。これはただの連番であり、過去に公開されているブログの素材であるなら、普通に考えてこの数字は9より小さい番号が与えられるはずだ。

 さらに、小内グループの記事の中で、「スクリーンショット-xxx.jpg(png)」の最小の連番は、「9」を除けば「皇室問題研究所」5月25日付のこの記事に登場する373。MI社グループの中で登場する最大の連番は「令和新聞」5月6日付のこの記事に登場する359小内グループとMI社グループでは似たようなファイルの採番方法を採用しながら、その番号帯は全く重なっていない。それどころか、小内グループはMI社グループの番号体系を引き継いでいるように見える。

 おかしな事は他にもある。「皇室報道局」が公開されたのは6月27日。前述のように「菊ノ紋ニュース」はニュース本文の代わりに罵詈雑言が記載されるようになったが、このような記事が初めて登場するのは6月26日公開分、6月28日公開分からは全てこの形式の記事となっている。

 上記のことより、以下の可能性が非常に高い。

  • メディアイノベーション合同会社」と「小内誠一氏のグループ」は実質同一の組織である
  • メディアイノベーション合同会社」は皇室関係のブログを多数立ち上げた。「小内誠一」なるペルソナを擁立した「皇室是々非々自録」もその一つである
  • 「菊ノ紋ニュース」以外の新規サイトは軒並み伸び悩んだが、「小内誠一」のキャラクターは好評を博したため、この枝を発展させようと試みた
  • 資源を集中させるため、「菊ノ紋ニュース」以外の新規サイトは全て更新を停止した
  • 「菊ノ紋ニュース」には固定層が多数いるため、PVを確保するために罵詈雑言オンリーの省エネ更新スタイルに切り替えた
  • 現状、「菊ノ紋ニュース」を執筆していた人間は「皇室問題研究室」「皇室報道局」に移って創作活動を続けている

 ここまで長々と書いてきてアレなんだけど、それはそうって感じだ。

皇室フェイクニュースの闇

 皇室フェイクニュースビジネス、以下の点でとてもよく出来ている。

  • 皇族に対する名誉毀損の告訴は、総理大臣が代理で行う必要がある(刑法第232条より)ため、告訴リスクが低い
  • 政治ネタのように派閥が存在せず事実について争われる事が少ない
  • その他のニュースのように、一般人が真贋を確かめる方法がない
  • 皇室ニュースを好む層は比較的年齢層が高く、情報の真贋を確かめるスキルを持っていないことが多い
  • そもそも、皇室ニュースを好む層は情報の真贋などどうでも良く、井戸端会議のネタや日頃の鬱憤をぶつける事が出来れば何でもいいと考えている(偏見)

 正しくメディアイノベーション。玉石混交の石だけを詰め合わせたものを垂れ流してもメディアは金を稼げるということを教えてくれる。日々遅くまで仕事し日々ネットでぶっ叩かれてる新聞記者がもの凄い目で睨んでいるぞ。

 しかしこれがTwitterのトレンドに載るってどうなの。Twitterやってるって事はある程度のネットリテラシー持ってるんかと思ってたけど。

 ニュースを見る際にオススメなのがソースを確認すること。ニュース記事のサイト名を見たり、yahooニュースなどのニュースサイトの場合は記事の配信元を確認する。見たこともない聞いたこともないサイトであれば読まない信じない。そこに書かれているものは新聞記者の1/1000以下の取材力で書かれた日記または感想文または小説なので、読んでも意味がないし、その内容を信じるなんて事があれば末代までバカにされるぞ。誰もバカにしなくても俺がバカにしてやるから安心してほしい。

 それにしても、この記事を書くためにMI社の皇室フェイクニュースサイトを見回ったんだけど、とにかく酷くて気分が悪くなった。記事の内容もそうだけど、それに乗じて皇室に対する悪意を剥き出しにしてコメントを書き込む人がこんなにいるのかと。記事の内容を信じちゃうのと、それに乗じてあんな酷い言葉まで吐けるという二重苦。

 もうネットが登場して25年。一般の人までもがネットに手を触れて情報の洪水に揉まれるようになって20年ぐらいか。もうそろそろ、こんな下らない事は終わりにしなければならない。そうするためにはWeb技術に何ができるだろう、とエンジニアの端くれとしては思う。

あなたの知らないミリシタMVの世界

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 Q. ズバリ、ミリシタのセールスポイントとは?

 豊富な楽曲と高頻度の楽曲追加、音ゲーにしては敷居の低い難易度、フルボイス&3Dのコミュなどなど、まぁ色々あるんだけど、もし仮に自分が「ミリシタどころかミリオンライブ・アイドルマスターを全く知らない人間」にミリシタを売り込むならば、僕はミリシタのハイクオリティなMVを激推しすると思う。

 ミリシタが登場した2017年6月、同様にMVを搭載していた音ゲーデレステぐらいしかなかったのだが(他にあったらごめん)、その後「ラブライブ!」や「ときめきアイドル」もMVを伴った音ゲーに参入、女性向けでも「あんさんぶるスターズ!」も参入しており、正直3DのMVを搭載している音ゲーはもう珍しくない。

 そんな状況でもあえてミリシタのMVを推すのは、そのMVのクオリティが他の追随を許していないと思うから。特に「細やかな指先の振り付け」「表現力豊かなカメラワーク」「楽曲の世界観を補強する照明・セット」へのミリシタのこだわりは尋常ではなく、これらのストロングポイントが他ゲームのMVに対する十分な差別化要因になっていると考える。

 そういうストロングポイントをミリシタの広報には強く推してほしいのだが、残念ながら広報は180回ガシャ無料以外宣伝する気は無いようなので、自分がこの記事の中で推していくことにする。この記事では「ミリシタを知らない人にも凄さが分かりやすい」ラインナップを心がけた。みなさんが周りの人にミリシタを推す際の参考になったり、ミリシタを知らない人への導入になったら幸いである。

花ざかりWeekend✿ - サビ

 まず最初に非常に分かりやすい例を1つ。昼間は地味に一生懸命働くOLが、金曜日の夜に街に繰り出して花開くという曲。ミリシタで一番バズりましたね。

 Bメロまではオフィス、サビは華やかな街と舞台がクッキリと分かれている曲なのだが、その切り替わりを「振り付けに合わせて上にスクロール」->「角度は同じだが、ステージ全体を映し出す開いた構図へ」という擬似カット割りで見事に表現している。カメラワークが楽曲の世界観を補強する、ミリシタの得意技の1つだ。

 ちなみに、このサビ突入の部分では音ゲーの譜面でも上フリックが割り当てられており、振り付け・カメラワーク・譜面が全てシンクロしている。ミリシタでも屈指の脳汁が出る場所。

待ちぼうけのLacrima - イントロ

 カメラワークが世界観を表現している例で分かりやすいものをもう1つ。真冬を舞台にした曲なので、天井から舞い落ちる紙片は当然、その日に降っている雪の比喩なのだが...

 それに加えてカメラの視線も天井から舞い降りて、アイドルを捉えたかと思えばまたふわりと宙に浮かぶという、あたかも冬の寒風に翻弄される粉雪から見た視点のようなカメラワーク。現実にはあり得ないこのカメラワークだが、これを通してこの曲の世界の季節、温度、そして主人公の心情を表現し、さらに見るものをこの世界に引き摺り込むかのような臨場感を味わわせる。

ジレるハートに火をつけて - 冒頭

 この曲、ミリシタのMVを語る際に不思議と名前の挙がらない楽曲だが、個人的にはミリシタ初期MVの最高傑作だと思っている。

 仄暗い照明の中で始まるイントロ、そしてスネアの3連打に合わせてカメラがズームアウトしステージ全体を映し出すとともに燃え上がる炎。最後はステージの背面からアイドル達の横を通り抜け、燃え上がるステージと客席を映し出す、ゆっくり、だがダイナミックなカメラワーク。

 決して燃え上がってはいない、だけどジリジリと焦がれてもう発火寸前、といった心情を描いたこの曲だが、それにバッチリ組み合わさったカメラワークと演出だと思わないだろうか。レーザーが飛び炎が燃え盛るステージ、しかしそれを捉えるカメラは決して派手な動きやカット割りを行わず、冷徹にステージとアイドルを映し出している。冷静と情熱の間、そのギャップが並々ならない緊張感を生み出している。

 「ジレるハートに火をつけて」のMVはこの後も名場面の連続なので、興味湧いた人がいれば是非フルを見てほしい。

dear... - サビ

 ミリシタ名物のワンカットMV。曲の始まりから終わりまで一切のカットがないという、現実世界ではありえないカメラワークが展開される。

 「dear...」はワンカットMVの2つ目。「dear...」の楽曲自体が電子音をメインとした熱の少なめな音で構成されているのを反映してか、イントロからBメロまでのカメラはアイドルを捉えて周囲を回るだけの、非常にメカニカルかつ淡々とした動き。照明もスクリーンも大きな動きを見せない。

 しかし、サビに入った瞬間に一変。数十本ものレーザーが飛び、背後のスクリーンも白く飛んだ後に鮮やかな色を見せる。カメラワークも、ステージ全体を映した後にアイドルの手にフォーカスするなどダイナミックな動きに。

 この動画ではカットしているのだが、サビが終わりイントロのメロディが流れると、再び淡々としたカメラワークに戻る。抑えきれない想いに呼応するかのように、サビでは色鮮やかな世界が展開されるが、それは一瞬の煌めき。そんな恋の儚さを表現したこのMVはあまりにも美しい。

待ち受けプリンス - イントロ

 「ジレるハートに火をつけて」と合わせて個人的初期MV最高傑作の1つ。ワンカットMVとはうってかわって、こちらはとにかく派手な照明とカメラワークが特徴。

 ロボットダンス風の振り付けをストロボチックな照明で映し出した後、歌い出しが始まると1拍ごとにカットが変わる忙しない構成に。その内容もアイドルを下から煽る構図だったり、ステージ全体を映したと思ったら次の瞬間にセンターの顔に一気にズームするなど、たった22秒とは思えない密度でやりたい放題かつ派手なカメラワークが展開される。盛り上がり重視、ド派手な曲にふさわしいド派手なMVだ。

 実は、「待ち受けプリンス」の振り付け自体は過去作品実装されたものの流用ではある。

www.youtube.com

 ただ、このMVとミリシタでのMVを見比べると全く違う印象を受けることだろう(後者の方が派手)。過去作品の方ではゲームの設計上大胆なカメラワークをしづらいのだが、同じ振り付けを流用していてもほぼ別物と言ってしまえるほどリファインできてしまうのがミリシタのMVチームの実力といったところ。

ジレるハートに火をつけて - Aメロ

 「ジレるハートに火をつけて」からもう一つ紹介したいのが、先の動画の直後にあるこのシーン。

 2秒程度の振り付けなのだが、この左手の振り付けの複雑さ・滑らかさは常軌を逸している。何回再生してもどんな動きをしているのかよく分からない。こんな一瞬の振り付けに対して、どれだけの手間をかけたのだろうか。

百花は月下に散りぬるを - Aメロ

 同じく変態じみた振り付けから。この曲のMVは全体的に振り付けのキレが尋常ではないのだが、特にこの動画の「唇は〜」の箇所。指を口元に添えるまでの動きが本当に絶妙。顔の輪郭に沿って美しい曲線を描いているが、機械的な印象は全く受けない完璧なバランス。この部分だけで何度も見れてしまう。


 推しMVを全て紹介しようとするといくら文字数があっても足りないのでこの辺りで。他にもミリシタには名作MVが数多く存在する。

 個人的に好きなのは「Princess Be Ambitious!!」「Angelic Parade♪」「ライアー・ルージュ」「Marionetteは眠らない」「PRETTY DREAMER」「ラスト・アクトレス」「addicted」「恋心マスカレード」「フェスタ・イルミネーション」「アニマル⭐︎ステイション!」「教えてlast note...」...と、これも挙げていけばキリがない。知らない人は何らかの手段で見てほしいし、知ってる人は改めて見てみる事で新たな良さに気付けるかもしれない。ぜひ。

ミリオンライブ二次創作界隈が「電子レンジ」氏に対して行うべきたったひとつのこと

 この記事では「二次創作界隈」 = 「二次創作の創作者」 + 「二次創作に触れて楽しんでいる人」と定義している。

はじめに結論

 今回の電子レンジ氏の行為に行うべきは、無視することでも、黙殺することでも、皮肉を言ったり茶化したりする事ではない。

 この界隈の一人一人が、電子レンジ氏が起こした行為を真正面から受け止め、「電子レンジ氏の行為は絶対に容認できないこと、自分たちは絶対に盗作行為を行わないこと、今後も界隈がそうあるために力を尽くすこと」を毅然と表明すること。

 電子レンジ氏の行為はただの盗作行為からは一線を画しており、特に「ISF(ミリオンライブの同人誌即売会)において海賊版に極めて近いグッズの頒布を行ったこと」「まるで原作者のような振る舞いで著作権を行使しようとしていること」の2点がミリオンライブ公式から見て心象最悪であり、二次創作界隈への信頼が無くなる可能性がある。このままだと二次創作活動について公式から何らかの制約を課されかねない。

 電子レンジ氏が攻撃を加え続けている以上、もはや問題を沈静化させるために黙っていれば解決するというフェーズではなく、僕たちみんながこの事件に対して向き合い、界隈に自浄作用があることを明確に示さなければならない。

二次創作の原理

 「二次創作はグレー」と説明される事が多いが、法的観点から見れば二次創作は完全な違法行為であることを確認しておきたい。著作物を原作者の許可なく改変することは、著作者の「翻案権」「同一性保持権」を侵害しており、明確な著作権侵害だ。

 ところが著作権侵害親告罪のため、著作者が自ら告訴しない限りは罪に問われることはない。二次創作は、著作権を持っている公式がその権利を行使していないので、「訴えられる可能性はあるが、訴えられていない」という状態になっている。当然、その著作権侵害物を閲覧したり金を払ったりしている人も同様のカルマを背負っている。

 何故、公式は二次創作を著作権侵害として告訴しないのだろうか。僕は公式側の人間ではないし、公式も理由を示す事はないので、考えてみる。考えた結果、2つの理由が挙げられる。

  • 二次創作の存在によって、ユーザコミュニティが活発になるから
  • 二次創作の存在が、公式から販売する各種商品と競合しないから

 この2つの前提があって初めて、公式にとって二次創作は「存在してもいい」存在になる。商品展開の邪魔にはならないし、ユーザコミュニティも発展する。長く見ると、自社のコンテンツの収益が拡大する。良いことづくめだ。言わば、公式は二次創作界隈に対して、この2つの条件が守られる土壌がある事を信頼している。同様に二次創作界隈は、二次創作を行っても公式から訴えられない事を信頼している。二次創作が許される背景には、このような相互の信頼関係がある事が考えられる。

 当然、この信頼関係は言葉にして示されるものではなく、形が無くて見えない、極めて脆い信頼関係だ。だから、二次創作に携わる人間はこの信頼関係を厳守する事を強く求められる。さもなければ、多くの人の努力によって守られてきた二次創作界隈という遊び場が一瞬にして崩壊するだろう。

 その信頼関係を、思いっきり踏み千切ってしまったのが電子レンジ氏というわけだ。

電子レンジ氏の行為

 電子レンジ氏のこれまでの行為は以下のtogetterにまとめられている。

togetter.com

 彼の行為が雑多にまとめられているが、ここでは問題としたい「盗作行為」「二次的著作物の著作人格権行使」について抜き出したい。

 電子レンジ氏は当時10000人以上のフォロワーを抱える、ミリオンライブ二次創作界隈では人気の作家だった。彼のイラストは他の作家の追随を許さないほどスタイリッシュで切れ味があり、その味に多くの人の支持が集まったのだろうと思う。

 ところが3/22、電子レンジ氏がこれまでのツイートを全削除し、代わりに以下のツイートを投稿する。

 この段階では「著しい模倣」がどの程度のものか分からず、「数点のイラストについて模写を行なって発表した」という程度の問題だと考えている人が多数いた(自分もその一人だった)。しかし、この後匿名アカウントからトレス検証画像が次々に投稿される。「著しい模倣」とは完全なトレスであること、その点数は数え切れないほどに登り、もはや彼の発表したイラストの大半が盗作である事が明らかになっていった。

 この時点で特に悪質だったのは以下のイラスト。電子レンジ氏はミリオンライブの周年ライブに設置されたプレゼントボックスにTシャツを贈り、それを受け取った声優がTシャツを着用した写真をTwitterにアップロードしたのだが、このイラストも盗作だった。

 その他にも、依頼を受けて納品したイラストも盗作行為が発覚(しかも複数件)したりと、電子レンジ氏の著しいモラルの欠如が暴かれていった。

 ただし、この時点までにおいての焦点は盗作行為のみであり、それは電子レンジ氏とその被害者のみで完結する話だった(盗作Tシャツプレゼント事件はその範疇ではないかもしれないが)。しかし、4/12以降に発覚した問題はこれまでの盗作行為から一線を画している。電子レンジ氏の行為はただの盗作では片付けられない。

ミリジャンにおける公式イラスト盗作問題

 「ミリジャン」とは電子レンジ氏が頒布した、ミリオンライブを題材としたボードゲーム。6000円超(通販だと8000円)という強気の価格設定が一部で物議を醸したようだが、これに使用されたイラストにも盗作が発覚している。それも、よりによって公式イラストからの盗作

 ミリジャンの場合もう一つ問題があって、それは過去公式から販売されたグッズとコンセプトが酷似していること。

www.asovision.com

 これは2013年に発売された公式グッズなのだが、「ターン制で順番に山からカードを取っていき」「役が完成したら上がり」「役はそれぞれのアイドルの組み合わせに因むもの」という主要なコンセプトがことごとく一致している。公式グッズの方は既に販売終了しており、ミリジャンの存在が公式の商売を邪魔しているわけではないが、それでも公式の感情を刺激しかねない非常に危険なグッズであることは間違いない。この程度のこと指摘する人間周りにおらんかったんか。

 それに加えて公式イラストからの盗作である。自分の絵柄で描いたグッズなら擁護のしようもあるが、公式から盗作したイラストを印刷しグッズとして販売するのは明らかに一線を踏み越えている。キャラクターが入れ替わっているだけで、これは公式イラストを無断で使用した海賊版グッズに極めて近い。さらに問題なのは、これが同人誌即売会のISFで頒布されたこと。健全な二次創作発表の場であるはずの同人誌即売会で、海賊版紛いのグッズが堂々と販売されていた事は極めて重大なインシデントだ。

 当然、ISFのような著作権侵害物を大っぴらに売買できるイベントが開催できるのも公式が黙認しているからであり、それはコミュニティが発展すること、それによって自社が損をしないことを期待してのものだ。そのような場で「公式が以前販売したものと酷似したグッズに」「公式の著作物をトレスして印刷して販売されていた」という事実の重大さを、僕たちはもっと認識した方がいい。普通にISFが取り潰されても文句が言えない。

 ぶっちゃけ、この事についてはISFから声明を出すべきで、そうでなければこの行為を黙認と捉えられかねないし、このままにして第二第三の電子レンジが出現し同じように海賊版紛いグッズ頒布されるような事があれば、その時点でミリオンライブの二次創作界隈は死滅するだろう。再発防止とか具体的な対策等は必要ないと思うが、電子レンジ氏のこの行為に対しては明確にNOを示し、ISFはこのような表現を絶対に許さないという事を毅然と表明するべきだ。それが二次創作発表の場を運営する人間としての矜持だと思うのだが、どうだろうか。

盗作検証者に対し弁護士を通しての警告問題

 「吹雪P@お絵描き練習中〜」氏(以下吹雪氏)は問題発覚以降、電子レンジ氏の問題追及・ミリジャンの返金交渉を行なっていた。4/12にミリジャン公式絵盗作が発覚してからはその検証画像をリツイートしていたりしていたのだが、4/15に電子レンジ氏の代理人を名乗る人物からの警告書を電子レンジ氏本人のDMから受け取る。

 著作権法的には正当(二次的著作物にも同一性保持権などが認められている)なものの、盗作で糾弾されている本人がその検証をしている人に対して法的手段に訴えるというのは、倫理的にはぶっ壊れている行動と言わざるを得ない。

 それ以上に電子レンジ氏の行為は、自らが著作権を侵害する二次創作者であるという立場を棚に上げた振る舞いであり、公式と二次創作界隈との信頼関係を揺るがしかねない。電子レンジ氏は警告書を公開した場合には実際に存在賠償請求を行う事を示唆しており、吹雪氏が警告書を公開してしまった以上、実際に訴訟が行われる可能性が小さくない。

 そしてもし電子レンジ氏が勝訴して損害賠償を勝ち取った時、ミリオンライブ公式はどう考えるだろうか。良かれと思って黙認してきた二次創作物で、それを転載した人間を相手取り訴訟を起こし、数十万円を手にするケースを、これもまた黙認するのだろうか。残念ながらこれは楽観的な想定だと思う。電子レンジ氏に対してはもちろん、その他の二次創作界隈の人間に対しても何らかの介入が発生する可能性がある。

 ちなみにこの問題について、電子レンジ氏・吹雪氏のどちらかが警告書を偽造している可能性が否定できないのだが、電子レンジ氏が偽造したとしても法的手段を執ると宣言していること自体が問題なのでこの議論とは関係なく、また吹雪氏が偽造している可能性については「私文書偽造は懲役もあり得る犯罪であり、リスクが高すぎること」「のちに電子レンジ氏のDMから警告書が送信されてきたスクショを公開しているため、信頼性が高いこと」「盗作を行なった人物が弁護士を雇って著作権法違反で告発するというストーリーは常人には考えられないこと」から限りなくゼロに近い。ここではこの警告書は本物であるとして扱いたい。

日本トレパク史上最悪の事件

 まだ界隈の雰囲気として、電子レンジ氏の行為について明言を避ける、ボヤかす、黙殺するといった行動を取る人が多数見られる。これは通常の盗作騒動であれば正しい対応だ。それは当事者同士の問題なので、そこの中だけで解決すればいい。無駄に口を突っ込むと逆に荒れたり雰囲気が悪く可能性がある。見守るのが界隈にとって一番良いだろう。

 ただし、電子レンジ氏の行為は残念ながらもうそういったフェーズにはない。盗作行為の検証の延長線上に発覚した問題なので錯覚しやすいが、「第三者の作品を盗作する」のと「公式のイラストを盗作して高額のグッズとして販売する」のとは悪質さが別次元だ。さらに、それを追及していた人に対し、あたかも一次創作者のような振る舞いで著作権を行使するというのも、公式から見たら信じられない振る舞いだろう。

 ここまで悪質な事件であれば、界隈の人間がこの事件について沈黙することが良策であるはずがない。黙っていたって延焼は止まらない、この界隈に対する印象もどんどん悪くなる。そしてこのまま有耶無耶になって、電子レンジ氏の事件を知らない人が流入して、いつかまた電子レンジ氏のようなモンスターが現れる。その時に間違いなくミリオンライブの二次創作は死ぬ。みんなそんな未来を望むのだろうか。

 そしてそれ以上に重要なのが、公式と界隈の信頼関係を今こそ守ることだ。電子レンジ氏の行為はこの信頼関係に対する破壊行為で、これに対して何もしないのは、今まで僕たちを信頼してくれていたミリオンライブ公式への裏切りだ。別に電子レンジ氏を攻撃しろと言っているわけではない。

 必要なのはこの界隈の一人一人が、電子レンジ氏が起こした行為を真正面から受け止め、「電子レンジ氏の行為は絶対に容認できないこと、自分たちは絶対に盗作行為を行わないこと、今後も界隈がそうあるために力を尽くすこと」を毅然と表明すること。

 電子レンジ氏というモンスターが生まれてしまった事を正面から受け止める。そしてそれを検証して、二度とこのような事が起こらないようにみんなで気をつける。そんな自浄作用がある集団である事を示す事が、公式への心象を考えればまず第一に行わなければならない事だ。

 ハッキリ言ってこの電子レンジ氏の事件は、日本の二次創作界隈で発生したトレパクの中でも最悪の事件だと思う。これ以上があるなら教えて欲しい。そういう事件がミリオンライブの界隈の中で発生している。この事を僕たちはもっと自覚したほうがいい。

 界隈の雰囲気が悪くなる? 今だってどんどん過去の盗作が発覚しているし、何よりも電子レンジ氏自身が燃料を注いでいるじゃないか。みんなが言及することで他ジャンルにまで話題が届くことが嫌? こんな悪質な事件、多くの人にまで拡散されるなんて時間の問題だ。楽しみたいだけなのに、何故そんな事をしなければならないのか? 確かに二次創作は楽しい遊びだが、それは公式の企業活動を邪魔しないという大前提の上にあるもので、それが脅かされているのならば立ち向かわなければならない。それが二次創作に触れる人間全員の責任であり、それが嫌であれば二次創作に向いていない。

 ミリシタから入った人間にとって、ミリオンライブの二次創作は非常に多様で、新鮮で、元のキャラクターの魅力に作者の味が加わった、素晴らしい作品が数多くある界隈だと思っている。ISFに行けば毎回20冊ほどは買っているし、Twitterでは日々様々なイラストやSSが流れてきて、僕の生活を彩っている。このような素晴らしい界隈が、これからも末永く続く事を切に願っている。

 

MC松島とミステリオのbeefが死ぬほど面白い件

 今、HIPHOP界の片隅を賑わせている1つの事件、それが、数日前に勃発したMC松島とミステリオのbeef合戦だ。

 beefとはラッパー同士のdisり合い、より狭義には楽曲を通して互いをdisる事を指す。今回発生しているのは後者の方。これがもう、抱腹絶倒レベルで本当に面白い。「あのラッパー達、なんか低レベルな言い争いしてるぜ」みたいに冷笑してしまう意味ではなくって、真正面から、本当に心の底から笑えるのだ。

 とにかくこの面白さを伝えたいと思い、この記事を書いている。まずは登場人物のMC松島・ミステリオを紹介してから、beefに至った経緯、そしてどこが面白ポイントなのか書いていきたい。

登場人物

 どちらもMCバトルで名を挙げているラッパー。そしてどちらも「ギャグラッパー」と呼ばれているところが面白い。ギャグラッパー同士なぜbeefに発展してしまったのか。その前に登場人物の紹介。

ミステリオ

 大阪出身。楽曲制作にも精力的に力を注いでいる、若年層に人気のラッパー。

www.youtube.com

 MCバトルのスタイルとしては「ギャグ」主体。ユーモラスな韻を多用するのが特徴。代表的なのが上記のアカペラMCバトルで、1分間ぶっ通してギャグを披露した後、オチをつけて制限時間ピッタリで終わると言う奇跡的なラップを披露している。

MC松島

 北海道出身。10年以上前からMCバトルに出場しているベテランMC。

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 同じ「ギャグラッパー」と呼ばれてはいるけど、こちらはどちらかと言うと捻りの効いたメタな視点からのラップが得意技。上記の動画はそんなMC松島のスタイルが存分に楽しめるんだけど、飄々としているのが彼の持ち味なので、あまりよくわからないかもしれない。

経緯

開戦前夜

 事の発端はMC松島が地上波のMCバトル番組、「フリースタイルダンジョン」に出場した時のこと。MC松島は第2ステージまで勝ち進んだものの、ここでHIPHOPクルー・「韻踏合組合」のERONEに破れる。

 2/26にその模様がOAされた後、MC松島は自身のYoutubeチャンネルに、その時の裏話と番組に対する不満、そしてERONEのモノマネ動画をアップロードした。どうやらそれがERONEの不興を買ってしまったらしい。

 怖い。

 MC松島はこの後、ERONEとDMのやり取りを行いひとまず和解。一般リスナー向けにも釈明動画を公開した。

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 同日、ERONEも「あの件について、これ以上は多分ない。」とツイートをした。

 これでこの件は一件落着... のはずだった。

第一ラウンド

 3/11、ミステリオが唐突にMC松島へのbeef曲を公開する。  

松島 お前格下 っていうかチンコと金玉どこに隠した?

話題性微妙 顔面微妙 ダサい性事情 完全に死亡

 ミステリオはファッションショップ・一二三屋のアルバイト店員を勤めながらラッパーとしての活動を行なっているのだが、実は一二三屋のオーナーは韻踏合組合のHIDADDY。つまりミステリオとERONEはかねてから親交があったのだ。そのERONEがMC松島からdisられたと受け止め、ミステリオがその報復としてbeef曲を公開した、と思われる。本人同士の喧嘩が決着したこのタイミングで。

 MC松島のファーストリアクションはこちら。

 それはそう。

 しかし、そうはさせじと一二三屋のオーナー、HIDADDYが援護射撃を行う。

 翌日、MC松島が動画を公開。

中身スカスカ 骨粗鬆症の骨思った アメリカなら即訴訟とね

チンコと金玉なら付いてなくてもかっこいい人居るんだから無関係なのに
未だ性差別的なディスはダセーから絶滅させるべきですね

俺のフロウは快適なジャンボジェット
捻り効いたライムは魔貫光殺砲

 ミステリオのbeefへのアンサーソングだ。ミステリオの動画公開から僅か約18時間というスピードで制作されたこの曲、全体的にミステリオのbeefの中身の無さを揶揄しながら、テクニカルなラップを披露する構成となっている。冒頭の「ミステリオ」と絡めた複雑なライムを聴けば、MC松島のスキルの高さが分かるようになっている。

 ちなみに、この動画は5分あるのだが、アンサーソングは前半の2分半で終わっており、後半はミステリオに揶揄された「ダサい性事情」に引っ掛けてか、「大阪の性獣ギャルと5Pする羽目になって一生懸命頑張った」という意味不明な話が展開されている。また、「悪いのは中国人じゃなくてウィルスだぞ!」というのは、HIPHOPクルー・BAD HOPがコロナウィルスの影響で無観客ライブの配信をした際、メンバーのT-PablowがMCで語った言葉のパロディ。  

第二ラウンド

 面白いのはここから。2日後の3/14、ミステリオがアンサーを受けて更なるbeefを公開する。

コメント欄まるでリオのカーニバル 毎日家おるが仕事ないんか?

不愉快なフロー ジャンボジェット ちゃんとせぇ それじゃバットエンド
北海道なら阿寒湖札幌 全然食らわん魔貫光殺砲

なんやて? ワシが骨粗鬆症? dis曲しか回らんポンコツの証拠

 アンサーソングの内容を拾いつつ、ミステリオらしいライミングでMC松島へのdisを積み重ねていく内容になっている。また、半ば炎上状態になっているYoutubeのコメント欄を揶揄する内容も。

 それに対するMC松島のファーストリアクションはこちら。

 それはそう。

 しかし、そうはさせじと一二三屋のオーナー、HIDADDYが援護射撃を行う。

 2日後、MC松島が動画を公開。

 まさかの曲ではなく公開説教動画。

ミステリオさぁ、ラップ向いてないからマジ辞めたほうがいいと思う

 から始まる、徹底してロジカルで度を越して辛辣なラップ批評動画。この動画が本当に、面白くて面白くて仕方がない。これまでのミステリオのbeefを聴いて誰もが抱いた「なんだかなぁ...」という感情、その全てをズバズバと言語化してバッサバッサと切り捨てていく。その痛快さたるや!!

 冒頭から

今回大事なことは「言われた事にどうやって返すか」だと思うんだよね
それが1ッ個も無いのよ!!
そりゃつまんないって!

 だの

なんでそんな事になるかっていうと
もう頭がめっちゃ悪い
ラップの基礎がめっちゃ無い
笑いの才能がめっちゃ無い
マジ辞めたほうがいいと思う

 だの、もう言い過ぎなぐらい言ってしまっている。でも、これが中途半端に相手を慮った言い方だったら妙にリアルで笑えないんだけど、辛辣すぎて逆にすごく面白い。

 そしてここから、MC松島はミステリオのラップの問題点を具体的に指摘していく。

「なんやて? ワシが骨粗鬆症?」
最っ悪!
「これから【骨粗鬆症】で踏みます」という最低の下品なフロウ

 という真正面からの辛辣なラップdisもあれば、

「コメント欄まるでリオのカーニバル 毎日家おるが仕事ないんか?」
家で仕事してる人とか何人もおるぞ!!
disにもなっとらんわ!

 という21世紀の価値観に立脚した真っ当な意見も。

 で面白いのは、ミステリオのラップに対してMC松島がキチンと改善案を提示しているところ。

「北海道なら阿寒湖札幌 全然食らわん魔貫光殺砲
最っ悪!
魔貫光殺砲より強いドラゴンボールの技いくらでもあるじゃん!!
もしくはドラゴンボールより新しいマンガいくらでもあるんだからさ、
「うわ〜オッサンだからドラゴンボールの技なんでしょw
今流行ってんのは鬼滅の刃 そうやって年齢の割に自滅のライマー」みたいな!!
言い返せよ!! 何よ「食らわん」って!!

 「骨粗鬆症」のラインに対しては、

「中身がスカスカ」って言われてる事に対して返せって!
「ぎっしり詰まっとるわ まるでチョココロネ ラップはスキルちゃう 心根や!」みたいな、
「おぉ、確かにこれじゃあスカスカっていうdisは通用しないな!」っていう状況を作って有利にしようよ!

 という、具体的かつ的確なアドバイスまで提供している。

 動画の終盤ではこのbeefの構造そのものについても指摘。

「恩人に対するdisでこのbeefやってます」って言うのなら来るの遅すぎじゃん!
なんで当人が「もうおしまい」って言った2,3日後に来んのよ! すぐ来いや!!
愛無いじゃん!

 動画としてはミステリオが徹頭徹尾罵倒されている内容なので、人によっては嫌悪感を抱いてしまうかもしれない。しかし、自分にとってはこの動画がもう腹抱えるぐらい面白い。これは多分、この動画の前の部分ミステリオから始まったbeefの一往復半のやり取りが前フリとして機能しているからだ。

 正直、ミステリオのラップを聞いた人は皆、言いようのないモヤモヤを抱えると思う。それは一言で「ダサい」と形容してしまえるような、でもそれだけだとなんだか言葉足らずなモヤモヤ感。それを、このMC松島の批評が一つ残らず言語化して「それおかしいだろ!!」とツッコミを入れているのだ。

 これ丁度、東京03のコントに似ている。彼らのコントも、前半はボケ役がツッコまれず、後半になってツッコミがボケの行動をズバッと言語化してツッコむ、と言う構成のコントが多い。なんとも言えない、だけど何かがおかしい、そんな空気が会場に充満した時に、ツッコミがその空気に着火する事によって爆発的な笑いが起きるのだ。MC松島とミステリオのbeefも、偶然全く同じ構図になっている。僕の心にあったモヤモヤに、MC松島が火をつけて爆発させたのだ。

感想

 ミステリオは個人的には好きなラッパーだし、BADHOPみたいなアウトローなラッパーよりもミステリオみたいなピースフルなMCを応援したい気持ちがある。ただ、正直beefの曲の質はイマイチで、応援している立場からしても「ちょっとなぁ」となってしまった。

 でも、それだけならミステリオがダダ滑りしていたところ、しっかりとキャッチしてエンターテイメントにまで昇華したのがMC松島の素晴らしいところだと思う。アンサーソングの質も高いし、批評動画についてdisだけではなくリスナーも聞いていてためになる内容だし、何より爆発的に面白い。

 あと、ユーモアがある人ってやっぱりロジカル能力がキチンとしてるなぁと。MCバトル界隈で最もロジカルアンサー能力のあるMCは呂布カルマだと思うんだけど、彼も時として突拍子もないユーモアを吐き出して会場を爆笑の渦に巻き込むことがある。ロジカルに繋がらない所が笑いを生み出すポイントになるし、ロジカルシンキングがちゃんとあるから、計算して笑いを生み出すことが可能になるのかなぁと。

 あと、この記事を書いている時にミステリオがこんなツイートをしていたんだけど、MC松島の批評disに対する更なるbeefを作成するのだろうか。そうであればちょっと楽しみだし、それに対してMC松島(とHIDADDY)がどんなアクションを取るのか相当楽しみだ。お互い相手にムカつくところもあるだろうけど、この件をキッカケに親交を深めてもらって、一緒に曲出したり一緒にM-1出たりしてほしい。

全自分が選んだMA4カバー曲

 1/13(月)をもって終了した、「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST」シリーズ第4弾カバー楽曲リクエスト。自分がリクエストした曲を書き残しておこうと思う。公開することで採用されないリスクはあると思うんだけど、こういう企画は考えている時が一番楽しいので。本当に楽しいので第5弾、あるいはミリオンライブでもやってほしい。

 ちなみにお酒を飲みながら書いているので、後半になるごとに文章が力尽きていく。

天海春香 - Funny Bunny / the pillows

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 ミリシタの春香って「センター」や「リーダー」の概念が強くてあんまり人間性を感じられないな、と思うんだけど、アニマス見てるとやっぱりちゃんとした人間で、ちゃんとドジやったり落ち込んだりする。個人的には終盤、追い詰められていく春香の心情は自分にもよく理解できて、強く感情移入してしまった。

 「Funny Bunny」は応援歌なんだかなんだかよく分からない。難解な歌詞には、どこか傷だらけの主人公が高台から世界を見下ろして諦めたように笑うような、やるせなさがどことなく感じられる。それでも「君の夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ」なのだ。叶うかどうか知らないけど、その夢を追いかけるなら、僕は背中を押すよ。

 765プロの中で一番傷だらけの春香(千早も大概だが)。そんな彼女だから、「Funny Bunny」がもっともっと、聴く人の背中を押す応援歌になる。

如月千早 - 恋 / 星野源

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 何かと冬の歌や悲劇的な恋の歌を歌いがちな千早だが、だからこそそこから脱却した、180度反対の南風のような歌を歌ってほしいとリクエスト。壮大で荘厳な歌を歌うだけが歌姫じゃないぞ、と。軽快に恋ダンスを踊る千早を見てみたい。

 

星井美希 - 眠いオブザイヤー受賞 / ヤバイTシャツ屋さん

 美希は既に「すいみん不足」をカバーしているわけなのだが、あえて「眠い系」の曲をリクエスト。

 ヤバイTシャツ屋さんなので歌詞はふざけてるし、この曲に至っては本当に半覚醒状態で書かれたとしか思えない歌詞が続くんだけど、それがまぁ美希に合う。徹頭徹尾睡眠万歳な歌詞が続き、真昼間から堂々と昼寝を謳歌している美希にはまさにピッタリ。また、

甘やかされたい 優しくされたい 褒められたい 全部許されたい
君の愛情にぎゅっと包まれて 好きなだけ眠りたい

 とか、結構美希の心情ドンピシャな歌詞な気がする。

 ボサノバチックでオシャレな曲なので、美希の甘い歌声にもきっと合うだろうなぁと思っている。曲はふざけているけど選曲はガチのマジ。

萩原雪歩 - シーグラス / ストレイテナー

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 あえての夏の終わりの曲。夏の終わりの切なさを3分少々に切り取って大切な思い出として閉じ込めたような、まっすぐで繊細なギターロック。

 雪歩の綺麗な歌声と物凄く合うだろうなぁと思ってリクエスト。

高槻やよい - シャクシャイン / 水曜日のカンパネラ

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厚岸 国縫 上雷 川汲 住初 登別
上湧別 旭神 歌内 下川 剣淵 和寒 厚床 長万部

 と、北海道の地名と名物だけで構成された歌詞の曲。当然歌詞で選んだ訳ではないが、この曲はとにかく聴くだけで、口ずさむだけで楽しくなるし、そこに絶妙に神秘的なアレンジとトラックが乗っかりなんとも言えない世界観を構築している。

 やよいは舌ったらずなところがありそこが可愛いのだが、その声のかわいさを引き立てるのはやはりラップ。舌ったらずな声でラップのリリックを放つのはスリリングであり何よりかわいい。それに加えてこの曲のナンセンスな世界観。それが逆に、音楽本来の楽しさとか、やよいの根源的な可愛さを引き立てるんじゃないかなぁ。

菊地真 - ESCAPE / MOON CHILD

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 おれは真のプロデューサーではないのでどうしてもカッコいい曲を求めがちになってしまう。選曲はそういうこと。

 ただそのカッコよさの中でも、この曲は今までの真のカッコよさとはちょっと違う、新たな一面になるんじゃないかなぁと思って選曲した。ハードボイルドというかなんというか。男が惚れるカッコよさというやつか。

水瀬伊織 - 最終電車 / パスピエ

 流れるような綺麗なメロディーに乗せて、恋人との別れを前にしても素直になれない感情を歌う曲。電車に乗る背中に「乗り遅れちゃえばいいのに」と思う一方で、「私いまうまく笑えてるかな」と一生懸命取り繕おうとする。そしてCメロで「違うの 言葉がいま ここまで出かかってんのちょっと待ってて」。自分の感情を押し殺して必死に誤魔化した言葉。いいですよねこういう曲。大好物です。

 曲もオシャレ過ぎずそれでいてかわい過ぎず、歌詞もちょっとひねくれていたりして、まさしく伊織そのものと思ったので選曲。伊織もまた一筋縄では行かない魅力を持っていると思うんだけど、この曲はそういう複雑な面を見せつつも、ストレートに伊織の魅力を表現してくれると思う。

 

四条貴音 - 愛をからだに吹き込んで / Superfly

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 バリバリのロックンロールですね。

 貴音は神秘的でたおやかなアイドルだと思うけど、同時に強烈に芯の通った強い女性という二面性を持っていると思う。挫けて膝をつきもう立てないと思った時、そんな女性に強烈に背中を押してほしいと思ってリクエスト。

 貴音は意外とドスの効いた歌声を持っているので、この曲を歌っても原曲に負けず凄まじいエネルギーを放ってくれるはず。貴音のロックンロールが聴きたいなぁ。

秋月律子 - 若者のすべて / フジファブリック

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 迷った。結果、シーグラスに続いて夏の終わりの曲。

 いくつも年月を繰り返していくとちょっと俯瞰した視点で季節の移ろいを観察するようになって、ちょっと感傷的になってしまう。この曲はそんな客観性とセンチメンタリズムが同居した曲で、そういう二面性が律子に合うなぁと思って選曲した。

三浦あずさ - シンデレラ / 椿屋四重奏

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 背徳的な恋愛の歌。アイマスにも「KisS」とか、あずさ自身も「嘆きのFRACTION」とかで歌っているんだけど、この曲はフラメンコの要素を取り入れて非常に滑らかで軽やか、それが返って恋の虚しさを強調している。ALLSTARSの中でも最年長のあずさには、一歩階段を登って、こういう奥深い曲の表現にも挑戦してもらいたいなぁと思ってリクエスト。

双海亜美 - Electric Surfin' Go Go / POLYSICS

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 とにかく楽しさ重視。おもちゃ箱をひっくり返したかのようにシンセサイザーの音が跳ね回る。奇抜な展開と奇想天外な歌詞、だけど徹頭徹尾ポップで徹底的に楽しい。亜美がカバーするならこういう曲だなぁと。真美がエンターテイナーなら亜美は切り込み隊長というイメージがあるので、この曲を歌ってフロア爆沸させてほしい。

双海真美 - 留学生 / MONKEY MAJIK × 岡崎体育

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 真美はエンターテイナーだと言ったのでエンターテイメント寄りの選曲。「英語に聞こえる日本語」で構成された岡崎体育の歌詞を、MONKEY MAJIKがオシャレにアレンジしている。

 亜美とは違ったアプローチ、面白いんだけど、直接ではなく変化球のアプローチで。

我那覇響 - ガラナ / スキマスイッチ

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 爽やかな曲調ながら力強い歌声で、思い人に告白するために勇気を振り絞る曲。

 曲中全体を流れる南風のような空気が、まさに響そのものだと思ってリクエスト。ちなみにガラナは北海道でよく飲まれる飲料だそう。

 改めて聴いたら、しみじみいい曲だなぁ。

その他、リクエストしようと思ったけど断念した曲

競馬賭博 第64回有馬記念 回顧編

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レース展開

 先行馬のキセキがかなり出遅れてしまったものの、アエロリットが前半1000m58.5という超ハイペースで飛ばす。アエロリットは単騎逃げの形になっていたが実質先頭の2番手の位置で見ても59秒半ばぐらい。これは有馬記念としてはかなりのハイペース。先行各馬にとってはかなりシビアな展開になったはずで、事実、8番手までの先行グループはアーモンドアイ含めて壊滅している。

 第2コーナーでようやくペースが少し緩む。残り1000mを切ったところでアエロリットが再びスパートをかけるが、余力がなくなり徐々に下がってくる。残り600〜400mの地点で、1秒以上あったアエロリットのリードが無くなる。ここで2番手以降の実質ペースは12秒前後になっているはず。そこからは12.2、12.0。実質的なスパート地点は3コーナー付近、残り800〜700m地点だったと思う。ハイペースでも削がれないスタミナがまず第一に求められたレースだったと思う。

 勝ちタイムは2:30.5。これより早いレースは2009年のドリームジャーニーが勝ったレースに遡る。

各馬回顧

1着: リスグラシュー

 バケモノ。現役最強だと信じていたけどまさかこれ程とは。スピードのアーモンドアイ、ポテンシャルのリスグラシューと言うぐらい、ジャンルは違うけど肩を並べるぐらい歴史的名馬だった。

 これだけの厳しいレースになれば、ラストの200mはペースが落ちるはず。それを12.0でまとめられてしまうって。。 残り200mの地点ではサートゥルナーリアに並びかけていた。それを200mだけで0.8秒も差を広げていた。つまり、サートゥルナーリア以降のレースラップはラスト12.8にまで落ち込んでいるのに、リスグラシューだけ12.0で突き抜けていってしまった。怪物としか言いようがない。

 どんなハイペースでも削がれないポテンシャル、そして一旦解き放つとどこまでも突き抜けていってしまいそうな末脚。同父のジャスタウェイを彷彿とさせる強さで、来年ドバイシーマクラシックに行ったらとんでもない圧勝劇になるはず。でももう引退なんだよなぁ...

 そして鞍上のダミアン・レーンの好騎乗も忘れてはいけない。ハイペースを読んでか中段に下げ、道中はインでじっと待機。4コーナーで各馬が捲ってくるところでも我慢していて、これは大丈夫か? と思ったところで直線でスッと外に出して進路を確保。全く無駄のない騎乗がリスグラシューのポテンシャルの全てを爆発させた。まさに天才の所業。人馬の能力が噛み合って、有馬記念でも屈指のパフォーマンスに繋がった。凄かったで。そしておめでとうリスグラシュー

2着: サートゥルナーリア

 こちらも想像以上に強かった。3コーナーでは後方4番手にいたのだけど、そこから大外を回って一気に捲り上げていき、直線では先頭に並びかける。そこから一瞬出し抜いてこのまま勝利か? となったところでリスグラシューに飲み込まれてしまった。

 捲っている時には相当のペースで走っているはず。それで直線スパートをかける足があるんだから流石。トップスピードに乗ってしまうとすぐバテてしまうけど、ハイペースでも難なく対応できてしまう馬なのかもしれない。東京競馬場だと仕掛けどころが早くなってしまうから、直線の短い中山の方がサートゥルナーリアに合っているのもあるかも。

 返し馬ではスミヨンが輪乗りのところから離れたところでサートゥルナーリアを落ち着かせてたけど、そこは流石エピファネイアに乗ってたジョッキーだなぁと感じた。優等生に見えるサートゥルナーリアも、いつか狂気の血が爆発してしまうのだろうか...

3着: ワールドプレミア

 ダイワスカーレットが勝った年のアドマイヤモナークみたいな騎乗。菊花賞の再現を狙うなら中段に入り込んで直線抜け出してなんとか粘り切る、というレースになるはずなんだけど、この有馬記念では直線まで最後方。これによって前半のハイペースには乗らず、そしてコーナーでの捲りもしないので距離ロスも無い。前がバテたところを捉えるだけの余力を残すことができた。

 ただ、この3着をどれだけ評価するかは難しいところ。今回はハイペースで流れたから僅差の3着に入り込めたけど、スローでこれ以上に脚を高めることはできるのかは微妙。例えば、良馬場でのロングスパート合戦になりやすい天皇賞(春)なんかはかなり怪しいんじゃ無いかと思う。現時点ではあんまり明確な武器が無い印象で、展開待ちの面が強いんじゃ無いかなぁ。

4着: フィエールマン

 凱旋門賞帰りで心配してたけど、ちゃんと走れる状態にはなっていてひとまずは良かった。

 フィエールマンは3コーナーで捲り上がっていった馬の一頭なんだけど、当然、この競馬ではロスが大きくなる。この辺りでスタミナが削がれてしまい、サートゥルナーリアを捉えることができずワールドプレミアに差されてしまった要因なんだと思う。要は横のポジションの差。リスグラシューみたいにインで我慢してたら2着は合ったと思うんだけど、これは正攻法で勝ちに行く事を池添騎手が判断したのかな。ワールドプレミアよりは普通に強かった。

5着: キセキ

 まさかの出遅れでビックリした。そのまま後方からレースを進める形に。ハイペースなのでポジションのリカバリーも出来ず、そのまま3コーナーから大外捲りを敢行せざるを得ない羽目に。ただ、ロスの大きい大味な競馬だったのに5着にまで来てしまうのがこの馬の強さなんだよなぁ。出遅れさえなければ良いところまで行けたはず。衰えなんてないし、来年のレースもこの馬が中心になっていくと思う。

9着: アーモンドアイ

 危惧していた通りになった。横のポジションは一頭分外になっていたものの許容範囲。これで直線余力が無くなってしまったのはスタミナ不足、しかない。インで我慢してたらもう少しマシだったかもしれないけど、ルメール騎手としてもアーモンドアイが最強だと信じての騎乗だったと思うし、これは責められない。

 まぁアーモンドアイも、僕たちと同じ生き物だと分かって少しホッとしたというか。日本競馬史上最強のスピード、それに超一流のスタミナを兼ね備えていたなら、それはサラブレッドではなくサイボーグですよ。生き物である以上、飛び抜けた長所があるなら、どこかに短所があるはず。自分のそんな直感が当たった。

 戦前から言われていたスタミナへの不安が露呈してしまった形になるけど、でもこの果敢な挑戦にはみんなリスペクトを送るべきだと思う。GIを6勝もしていて、さらに未踏の領域へ挑んでいくのはとても勇気のある事。結果は出なかったけど、これで評価を下げる必要は全くないし、良馬場でスピードを生かす競馬になったら勝てる馬は世界のどこにもいないと思う。看板を汚すことを躊躇わず、来年も様々なチャレンジをして僕たち競馬ファンを沸かせてほしい。

競馬賭博 第65回有馬記念編

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 12月の寒空の下、彼女の柔らかな手を握って二人並んで談笑しながら歩くカップルがいる一方で、同じ空の下ではガザガサの馬券を握り潰しながらオッサン達が肩を並べて絶叫しながら競馬観戦をしているのである。今年も有馬記念の季節がやってきた。

 グランプリと言いながら今年活躍した馬が一切出てこない、まるで中日ドラゴンズ千葉ロッテマリーンズ日本シリーズやってるような状況でお馴染みだった有馬記念だが、今年は違う。GI馬は11頭。そのうち今年GIを勝った馬が7頭。GI勝利数は合わせて21勝。豪華というだけでは足りない、有馬記念65回の歴史上最もハイレベルなレースになってしまった。

 という訳で、久々に競馬予想してみたいと思う。ちなみに、馬券はここ3年当てていない。

展開予想

 先導したい馬はアエロリット・スティッフェリオ・キセキあたり。このうち、キセキは陣営のコメントや最近のレース振りから見ても、あまり積極果敢に逃げたりしたくなさそう。スティッフェリオは逃げたとしてもスローにコントロールしたいタイプ。アエロリットは距離不安があるためこちらもスローの逃げになる可能性大。たとえハイペースの逃げになっても誰もそこに着いて行かなくて単騎の大逃げになり、他の馬にとっては結局スローペースになりそう。結局、前半のペースは61秒〜62秒あたりのスローになると予想。

 仕掛けどころとしては2周目の向正面あたりか。リスグラシュー・フィエールマンあたりは無尽蔵のスタミナを生かしたいし、アーモンドアイもポジションを上げて行きたくなってくる頃。残り1000m地点でジワジワとペースが上がって、4コーナー出口地点が最速の二段階加速、という有馬記念にありがちな展開になりそう。

 馬場の傾向から見てもそこそこタイムがかかりそう。少なくとも東京競馬場のようなパンパンのスピード馬場ではない。タフな馬場で2500mを走りきるスタミナ、それを前提としてロングスパートへの対応、さらにはラストスパートの一足で出し抜く力という、あらゆる長距離能力が求められるレースになると予想する。

予想

リスグラシュー (2番人気: 7.7倍)

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 現役最強だと信じている。

 宝塚記念はタイトなペースで流れながら、残り800m地点からのロングスパート勝負だったんだけど、そのペースを先行しながらあっさり突き抜けて3馬身差圧勝。2着のキセキはこの展開になったら相当しぶといはずだが、それを全く相手にしなかったのは衝撃的なパフォーマンスで、スタミナを要求されるレースなら間違いなく現役最強だと思う。

 オーストラリアのコックスプレートでも頭のおかしいパフォーマンスを見せている。4コーナーでは最後方で大外を回してたが、実はこのコーナーは5メートルの上り坂になっているそう。つまり大外を回して坂を駆け上りながら馬群を交わしきっての圧勝。パワーもスタミナも兼ね備えて、短い直線で勝負を決めてしまえるスピードも持っている。

 馬自身に不安は全く無い。全てを兼ね備えて弱点がない上に、宝塚記念で見せた圧倒的なスタミナ。年末のタフな馬場で、スローからのロングスパート戦になるのならばリスグラシューが間違いなく強い。鞍上のダミアン・レーンが中山初騎乗なのが少し不安だが... あれだけの天才ジョッキーだし、上手くやってくれることを期待したい。

 それにしても3歳の時には同期の牝馬にケチョンケチョンにされてきた馬が、最後の最後に有力馬として有馬記念に出走することになるとは... 昔からのファンという訳ではないけど、それでも3年間走り続けているのを見てきているし、思い入れが凄くある。勝てなくてもいいから、リスグラシューの強さの全てをラストランに魅せてほしい。

○フィエールマン (5番人気: 14.5倍)

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 長距離適性を重視するならば、超長距離GIを2勝しているフィエールマンは外せない。

 このうち、菊花賞は残り400mしかレースしてないどうしようもないレースなので考えないとして、今年の天皇賞(春)が素晴らしい。1000m60秒を切る早いペースから極度の中弛み、そして3コーナーから楽な手応えで先頭に競りかけると、4コーナーからのグローリーヴェイズとの一騎打ちを制しての優勝だった。最初は超低レベルレースだと思ったけど、2着のグローリーヴェイズはこのレースと似たような展開になった香港ヴァーズを3馬身半差圧勝。それを物差しにすれば、フィエールマンの能力も相当高い。

 あとは状態面だけ。凱旋門賞は惨敗だったんだけど、心配なのはディープインパクト産駒は海外遠征から帰ってくると、別馬のように弱くなってしまう事があること。マカヒキにしろサトノダイヤモンドにしろ、遠征後に急激を能力を落としてしまい、全盛期の輝きを取り戻せないケースを見てきている。フィエールマンがそんな状態に陥っていないか心配。そこが克服できれば3着以内はかなりの確率である。

▲キセキ(8番人気: 25.7倍)

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 動画は追い込んで勝った菊花賞だけど、今ではかなりキャラクターチェンジしてきて、タイトなレースを先導してロングスパートで粘りこむ戦法でGI戦線を引っ張っている馬。つまり先行するスピードとロングスパートを敢行するスタミナを両方持っていないと出来ない芸当で、大体どんなレースでも対応できてしまう。

 今年の宝塚記念リスグラシューが強すぎただけで、キセキ自身も3着を2馬身突き放している。大阪杯も、渋った馬場を先行して800mのロングスパート、そして2着に粘り込んだ。スタミナなら現役屈指。できればコテコテのロングスパート戦に出来ればいいのだが、陣営のコメントを見るにレースを積極的に引っ張る意識は無いっぽいので、400mではどうしてもトップスピードが要求される展開になりそうなのでこの位置。少なくとも8番人気にナメられる馬じゃない。

△アーモンドアイ(1番人気: 1.6倍)

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 間違いなくデタラメに強い。前走の天皇賞(秋)3馬身差圧勝はもう圧巻だったし、スピード競馬なら現役どころか2010年代最強だと思う。父ロードカナロアがスプリント路線で爆発させていたスピード能力をそのまま受け継ぎ中距離路線で爆発させているような馬で、もう他のサラブレッドと一線を画しているのではないか。

 だがそれはあくまでもスピード競馬の話。アーモンドアイは長距離的なスタミナが要求されるレースをほとんど経験した事がなく、そこが唯一にして最大の不安。ジャパンCで2400mのレースを超絶レコードで制している訳だけど、超高速馬場の東京競馬場と、年末のタフな馬場の中山競馬場では、求められるスタミナ量が全く違う。そのスタミナをアーモンドアイは持っているのか、それは全くの未知数になる。単勝1倍台の信頼度は無い。

 一方で、近年稀に見るレベルの怪物であるアーモンドアイ。スタミナが要求されてもあっさり突き抜けて勝ってしまうかもしれない。だけど、超抜のスピードと無尽蔵のスタミナ、その両方を兼ね備える馬なんて存在していいのだろうか。アーモンドアイが優勝するのならば間違いなく日本競馬史上最強馬という称号が与えられるだろうし、そして僕は神の存在を信じ始めると思う。

△サートゥルナーリア(3番人気: 7.8倍)

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 アーモンドアイと同じく父ロードカナロア。しかし、アーモンドアイと違って、サートゥルナーリアの本領は一瞬の加速力にある。神戸新聞杯では超スローペースからの直線だけのレースだったが、その加速力とトップスピードは他馬と次元の違う領域にいた。

 弱点はそれが一瞬しかない事。皐月賞は直線序盤で一伸びして圧勝かと思いきや、ヴェロックスに詰め寄られての辛勝だった。

 タフな馬場なので、アーモンドアイと同じくスタミナの不安がある。しかし、スタミナが完全に削がれずに4コーナーまで来た時、持ち前の加速力が火を吹いて出し抜く事ができれば、3着以内はもしかしたらあるかもしれない。例年では本命になるのかもしれないが、今年はライバルに怪物が居すぎる...

△スワーヴリチャード(6番人気: 18.5倍)

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 前走のジャパンカップは低レベルだったかなと思う。3歳牝馬のカレンブーケドールと3/4馬身差だった訳で、これをもって復活とかは考えない方がいいと思う。

 ただ、こういう道悪の馬場をこなせたのは有馬記念を戦う上では大きいし、またリスグラシューが圧倒した宝塚記念でも3着に入っている。一定量のスタミナは持っているし、内枠を利して噛み合えば... というところ。

アルアイン(15番人気: 111.9倍)

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 今年の大阪杯勝ち馬がこの人気。本当、どの馬が勝っても驚けないレース。

 スワーヴリチャードと大体同じ理由になる。渋った馬場の大阪杯を、内を通したとはいえクビ差制した。本来のこの馬であれば、渋った馬場でスローペースから入るのであれば力を十分に発揮できる。ただ、ここ2走の結果が余りにも悪すぎるので、なんとか持ち直してくれればワンチャンスあるかな...

△クロコスミア(16番人気: 146.5倍)

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 大穴。というか、クロコスミアが最下位人気になってしまうところに今年の有馬記念のメンバーのヤバさがある。エリザベス女王杯3年連続2着の実力馬。そして負けた相手はモズカッチャン、リスグラシュー、ラッキーライラックという名だたるメンバー。牝馬限定戦と思うなかれ、レースレベルは相当に高い。

 ここ2年ではレースの仕掛けを先導して、800mのロングスパートから必死に粘りこむという戦法をとっている。この再現が有馬記念でも出来れば、3着以内に残れるチャンスは十分にある。

消 ワールドプレミア(4番人気: 11.5倍)

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 菊花賞馬は有馬記念とは非常に相性がいい。それは有馬記念には長距離適性が求められるからだと思っているのだけど、今年の菊花賞馬のワールドプレミアは消した。

 純粋に、今年の菊花賞はレベルが低かったと思う。ちゃんと長距離的なレースになっているし全馬が力を出し切ったと思っているけど、馬場が悪いわけではないのにタイムが遅すぎる。この勝利も武豊が最内を上手く立ち回ってのもので、ワールドプレミア自身のパフォーマンスはそれほど高くはない。その前提で、この怪物だらけのメンバーの中で食い込める余地があるかと言われると、NOだと思う。

レイデオロ(7番人気: 22.6倍)

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 衰えかな...と思う。去年まではトップクラスのパフォーマンスを見せ続けていたけど、今年は惨敗続き。特に前走のジャパンカップで11着というのは、全盛期の彼からすれば考えられないぐらいに負けてしまった。ここから持ち直すのは難しいかな... 2歳の時からホープフルステークスを勝って、ダービーも勝って、そして天皇賞を勝ったのは十分すぎるほど立派だった。

消 ヴェロックス(9番人気: 25.9倍)

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 現時点では明確な武器がない器用貧乏な馬。流石にこのメンバー相手に太刀打ちはできないかな...

 父ジャスタウェイも祖父ハーツクライも、4歳秋まではイマイチだった。おそらくヴェロックスもそのタイプ。だから、来年はもしかしたら大化けするかもしれない。ジャスタウェイの現役時代のファンとして、その時を楽しみに待ちたい。

消 アエロリット(11番人気: 83.8倍)

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 もっとこの馬の逃げを見たかったんだけど、もう引退か... 今年の天皇賞(秋)は本命でした。アーモンドアイには負けたけど、アエロリットも稀代の名牝だということを証明してくれたと思う。

 明確に距離不安。ハイペースで飛ばすにしてもバテる不安があるし、スローにしても切れる脚が使えるわけではない。この距離では残念ながら勝ち筋が見えない。

 だけどラストランに有馬記念に出てくれるのは、1人のファンとして感謝したい。なんとか、悔いのないレースを。